こんにちは。こころノートの編集者です。
この記事を読んでいるあなたは、認知行動療法を自分で実践できるセルフカウンセリングのガイドや本、ワークシート、アプリなどを探しながら、「うつや不安、ストレスって自分でケアしてもいいのかな」「認知の歪みや自動思考を書き出すシートをどう使えばいいのか分からない」と感じているかもしれません。
認知行動療法のセルフ本やセルフカウンセリングシート、気分記録表、行動活性化のやり方、マインドフルネスを取り入れたセルフケアなど、情報が多すぎて迷ってしまいますよね。
認知行動療法の本やアプリ、無料で使えるCBTワークシートはたくさんありますが、「何から始めればいいのか」「独学で続けて大丈夫なのか」と不安になるのもとても自然なことだと思います。特に、HSP気質の方や、ぐるぐる思考でなかなか眠れなくなるタイプの方は、「やり方を間違えて、セルフカウンセリングが逆に自分責めになったらどうしよう」と心配になるかもしれません。
そこで今回は、認知行動療法セルフカウンセリングガイドとして押さえておきたいエッセンスをぎゅっとまとめて、基本の考え方からセルフカウンセリングシートやワークシートの使い方、行動活性化のコツやアプリの活用法まで、「まずはここだけ押さえれば一歩踏み出せるよ」というポイントを丁寧にお話ししていきます。専門用語はできるだけかみ砕いて、初めてのあなたでも今日から試しやすい形でお届けしますね。
- 認知行動療法セルフカウンセリングの基本と特徴
- 認知の歪みや自動思考を整理するシートと書き方
- 行動活性化・ワークシート・アプリの活用ステップ
- セルフケアとして取り組む際の注意点と続けるコツ
認知行動療法セルフカウンセリングのガイド基本

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認知行動療法セルフカウンセリングのガイドとは

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認知行動療法セルフカウンセリングのガイドという言葉は、その名の通り、認知行動療法(CBT)を自分自身で実践していくための案内書のようなイメージです。
もともと認知行動療法は、カウンセラーや臨床心理士と一緒に取り組む心理療法として発展してきましたが、最近はセルフケアとして日常に取り入れやすい形でも広がっています。「病院に行くほどなのかな…」と迷っている段階でも、考え方や行動を少しずつ整えていけるのがセルフカウンセリングの良さかなと思います。
認知行動療法の大事なポイントは、「出来事そのもの」ではなく「出来事の受け取り方(認知)」に注目することです。同じ出来事でも、「自分はダメだ」と考えれば落ち込みが強くなり、「失敗から学べる」と考えれば前向きな感情が生まれやすくなりますよね。この「考え方のクセ」をセルフカウンセリングで見つめ直していくのが、このガイドの基本的な役割です。あなたの中で当たり前になっている物事の見方に気づき、それを少しだけ揺らしてみるイメージです。
認知行動療法セルフカウンセリングガイド的な使い方としては、次のような流れをイメージすると分かりやすいです。
- 気分が落ち込んだ場面や不安になった場面をメモする
- そのとき頭に浮かんだ自動思考を書き出す
- 認知の歪みがないかをチェックする
- もう少し現実的でやさしい考え方を考えてみる
- 気分や行動の変化を振り返る
このプロセスを、ワークシートやノート、アプリなどを使いながら、自分のペースで少しずつ回していくイメージですね。最初はカンペのようにガイドを見ながらでOKですし、慣れてくると、頭の中でさっとセルフカウンセリングができるようになってきます。「感情の波に飲まれるのではなく、少し離れた場所から自分を観察する」という練習だと思ってもらえると良いかなと思います。
認知行動療法セルフカウンセリングガイドが役立ちやすいのは、例えばこんな人たちです。
- 仕事や人間関係で落ち込みやすく、「自己否定のループ」になりがちな人
- 不安や心配ごとで頭がいっぱいになり、考えが止まらなくなりやすい人
- 完璧主義で、「少しのミスも許せない」と自分を追い込みやすい人
- すぐに専門機関に行くのはハードルが高いけれど、何かできることを始めてみたい人
もちろん、セルフカウンセリングだけですべての悩みが解決するわけではありません。ただ、日々の「ちょっとしんどい」「なんとなくモヤモヤする」を放置せず、こまめにケアしていくことは、心のメンテナンスとしてとても大事です。認知行動療法セルフカウンセリングガイドは、そのための「道具箱」として、一緒に使っていける相棒のような存在だと考えてもらえたらうれしいです。
なお、セルフカウンセリングはあくまで一般的なセルフケアの方法であり、診断や治療に取って代わるものではありません。つらさが強いときや日常生活に大きな支障が出ているときは、早めに専門家に相談することをおすすめします。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、最終的な判断は医師やカウンセラーなどの専門家にご相談ください。
認知の歪み

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認知行動療法セルフカウンセリングガイドの中核になるのが、「認知の歪み」という考え方です。認知の歪みとは、物事の受け取り方に偏りがある状態のことで、心がしんどいときほど、この歪みが強くなりがちです。あなたも、「ちょっと冷静に考えれば分かるのに、そのときはそうとしか思えなかった…」という経験があるかもしれません。まさにそのとき、認知の歪みがググッと前に出てきている状態なんですよね。
代表的な認知の歪みには、例えばこんなものがあります。
| 認知の歪みのタイプ | 考え方の例 |
|---|---|
| 全か無か思考 | テストで1問ミス=「こんなの全部ダメだ」 |
| 過度の一般化 | 一度断られた経験=「私のお願いはいつも断られる」 |
| マイナス化思考 | 10個中9個うまくいっても、1つの失敗だけを延々と考える |
| 心の読みすぎ | 相手の表情が少し曇っただけで、「きっと私を嫌っている」と決めつける |
| べき思考 | 「いつも完璧であるべき」「弱音を吐くべきではない」など、自分を縛るルールが多い |
セルフカウンセリングでは、「自分はどんな認知の歪みを持ちやすいのか」を知ることが、かなり大きな一歩になります。「あ、今の考え方は全か無か思考っぽいな」「またマイナス化思考で自分だけ責めてるな」と気づけるだけでも、心のブレーキがゆるむことが多いんですよ。気づくこと自体が、すでに「歪みから半歩離れた視点」になっているからです。
慣れてきたら、自分専用の「認知の歪みチェックリスト」を作ってもOKですし、すでに用意されたリストが欲しい場合は、認知行動療法セルフ本や公式機関が出しているワークシートを参考にするのも良い方法です。こころノートでは、認知の歪みをもう少し具体的に知りたい方に向けて、HSP気質のぐるぐる思考と絡めた解説もまとめています。考え方のクセを深掘りしたいときは、HSPのぐるぐる思考を整える認知行動療法とマインドフルネス入門も役立つと思います。
大事なのは、「認知の歪み=悪いもの」と決めつけないことです。歪んだ考え方の背景には、その人なりの生きてきた歴史や、身を守るための工夫が隠れていることも多いからです。セルフカウンセリングでは、歪みを「消す」のではなく、「今の自分に合う形に少し調整していく」くらいの気持ちで向き合ってみてくださいね。
自動思考見直し

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認知の歪みとセットで意識したいのが、「自動思考」です。自動思考とは、出来事が起こったときにパッと頭に浮かぶ考えのことで、「どうせ自分なんて」「また失敗だ…」のような言葉にならないつぶやきが代表例です。自動思考は本当に一瞬なので、意識していないとスルッと通り過ぎてしまい、そのあとに残るのは「重い気分だけ」ということも多いんですよね。
認知行動療法セルフカウンセリングガイドでは、この自動思考を丁寧にキャッチしていくことがとても重視されています。ポイントは、「自動思考=事実ではなく、あくまで“考え”にすぎない」と理解することです。「上司が眉をひそめた」までは事実ですが、「私に怒っているに違いない」は自動思考です。この2つを分けて考えられるようになると、心の揺れ方がだいぶ変わってきます。
自動思考を見直す3つの合理的質問
自動思考を見直すとき、次のような質問を自分に投げかけてみると整理しやすくなります。ちょっとした「内なるインタビュアー」になったつもりで、落ち着いて問いかけてみてください。
- その考えを裏づける証拠はどれくらいある?
- 逆に、その考えと反対の証拠はないだろうか?
- 友人が同じことを言ってきたら、私は何と声をかけるだろう?
この3つの質問だけでも、かなり自動思考の力が弱まることが多いです。「上司に注意された=私は無能」ではなく、「注意された部分は改善の余地があるけれど、ちゃんとできている部分もあるよな」といった、バランスの取れた評価に近づいていきます。ここ、気になりますよね。「甘やかしにならない?」と心配になる方もいるのですが、むしろ現実に即した自己評価に近づいていくイメージです。
もう一歩踏み込んで、自動思考を「よく使うセリフ」としてメモしておくのもおすすめです。
- 「どうせうまくいかない」
- 「迷惑をかけてしまったに違いない」
- 「私だけがダメなんだ」
こうした自動思考のセリフ集を作っておくと、「あ、またいつものあのセリフが出てきたな」と少し冷静に眺められるようになります。そこから、「本当にそうかな?」「別の言い方をするとしたら?」と、言葉を柔らかく言い換えてみるのもセルフカウンセリングの良いトレーニングになりますよ。
自動思考は、長年の経験や価値観から自動的に出てくるものなので、「なくす」よりも「距離を取る」「書いて眺める」ことが大切です。ノートやセルフカウンセリングシートに書き出してみると、頭の中だけでグルグルしていたときよりも、ずっと冷静に扱えるようになりますよ。「書き出すのが面倒だな」と感じるときは、スマホのメモに短いフレーズだけ残しておくのもアリです。
こうした自動思考の見直しは、最初はぎこちなく感じるかもしれません。でも、何度か繰り返していくうちに、「一度立ち止まって考え直す」というクセが自然と身についてきます。認知行動療法セルフカウンセリングガイドは、その練習をサポートするための質問集やテンプレート集でもあるので、ぜひあなたなりの使い方を見つけてみてください。
気分記録表利用

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認知行動療法セルフカウンセリングガイドのなかでも、最初に取り入れやすいのが気分記録表(感情記録)です。これは、日々の出来事と感情、自動思考をセットでメモしていく簡単なワークで、紙のシートでもアプリでもOKです。「本格的なワークはまだハードルが高い…」という場合でも、気分記録表なら1〜2分で書けるので、かなり現実的なスタート地点になります。
基本の書き方
気分記録表の代表的な項目は、次のようなものです。
- いつ・どこで・何が起こったか(出来事)
- そのときの気分(感情)と強さ(0〜100%など)
- 頭に浮かんだ自動思考
- その自動思考の根拠・反証
- バランスの取れた考え方
- 結果としての気分の変化
最初から全部きれいに書こうとしなくて大丈夫です。「今日は、上司に声をかけられたとき、急に不安が80%くらいに上がった」「そのとき『また怒られるかも』と思った」など、ざっくりメモするだけでも、セルフモニタリングとして十分な価値があります。むしろ、完璧を目指しすぎると続かなくなるので、多少雑なくらいがちょうどいいです。
書き方のコツとしては、「感情」と「自動思考」をなるべく具体的な言葉にすることです。例えば、「モヤモヤする」よりも、「イライラ」「不安」「罪悪感」など、少し細かく分けてみると、自分の心の動きが立体的に見えてきます。数値(%)をつけるのに抵抗がある場合は、「小・中・大」の3段階でも構いません。
紙で管理するのが大変な場合は、メモアプリや認知行動療法アプリの気分ログ機能を使ってもOKです。後でまとめて振り返りたいときは、1日の最後に3行だけ書く「3行気分記録」から始めるのもおすすめですよ。
気分記録表はあくまで「自分の状態を知るためのツール」です。書けない日があっても、自分を責める必要はまったくありません。「書けた日だけラッキー」くらいの軽さで続けるのが、長く付き合うコツです。また、気分の落ち込みがあまりに強いときは、無理にワークをしようとせず、休むことを最優先にしてください。
しばらく続けてみると、「月曜日の朝は気分が下がりやすいな」「人から頼みごとをされたあとに自己嫌悪が出やすいな」など、あなた特有のパターンが見えてきます。認知行動療法セルフカウンセリングガイドでは、この「自分のパターンを知ること」が後のステップの土台になります。少し根気は要りますが、そのぶん得られる気づきも大きいので、無理のない範囲で試してみてくださいね。
ワークシートの活用

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気分記録表に慣れてきたら、少しずつコラム法やセルフカウンセリングシートなどのワークシートにステップアップしていくと、認知行動療法セルフカウンセリングガイドの全体像が体感として分かってきます。ワークシートは、いわば「考え方のトレーニング用プリント」のようなもので、書く項目があらかじめ整理されているのが特徴です。
ワークシートを使うメリット
- 書く項目が決まっているので、思考整理の手順に迷いにくい
- 「出来事→自動思考→認知の歪み→別の考え方」という流れを自然に練習できる
- 振り返りのときに、自分の変化が見えやすくなる
- 同じフォーマットを繰り返し使うことで、考え方のパターンに気づきやすくなる
ワークシートは、書籍の付録や医療機関・公的機関のPDF、認知行動療法アプリのテンプレートなど、いろいろな形で公開されています。無料のシートをダウンロードして印刷しても良いですし、自分のノートをワークシート風にアレンジするのもアリです。大事なのは、「自分が続けやすい形かどうか」です。
例えば、文字を書くのがしんどいときは、チェックボックス形式のシンプルなシートが向いているかもしれません。逆に、じっくり自分と向き合いたいときは、自由記述欄が多いワークブックタイプのほうが満足感が高いこともあります。ここは、性格や気分の波に合わせて、ゆるくカスタマイズしていきましょう。
認知行動療法のセルフ本を探している場合は、図やワークが充実している本を選ぶと、ワークシートの使い方もイメージしやすくなります。こころノートでは、セルフケアに役立つCBTの本をまとめた認知行動療法セルフ本のおすすめガイドも用意しているので、気になるときは参考にしてみてください。
なお、ワークシートの内容はあくまで一般的な目安であり、すべての人に同じやり方が合うとは限りません。「このシートは今の自分にはちょっと重いな」と感じたら、一旦手放しても大丈夫です。正確な情報や専門的な治療プログラムについては、公式サイトや専門機関の資料を確認しつつ、必要に応じて医師やカウンセラーに相談するようにしてください。
認知行動療法セルフカウンセリングのガイド実践ステップ

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行動活性化

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認知行動療法セルフカウンセリングガイドでは、考え方の見直しだけでなく、「行動」に小さな変化を起こすこともとても大切にします。これを「行動活性化」と呼びます。気分が落ち込んでいるときほど、人は動けなくなりやすく、「動けない→自己嫌悪→もっと動けない」という悪循環にはまりがちです。このループを少しずつ断ち切るカギが、「まずは小さく動いてみる」なんですよね。
行動活性化は、「やる気が出たら動く」のではなく、「やる気がなくても、できる範囲でちょっとだけ動いてみる」というアプローチです。そう聞くと少し厳しく感じるかもしれませんが、ここで大事なのは、行動のハードルをとことん下げること。「完璧な掃除」ではなく「机の上の紙を3枚だけ片づける」くらいのレベルにまで小さくします。
行動活性化の小さな一歩例
- ベッドから起き上がって、カーテンを開けるだけやってみる
- 3分だけストレッチをする
- 5分だけ部屋の一部を片づける
- コンビニまで散歩がてら歩いてみる
- 好きな飲み物をいれて、ゆっくり味わう
- 「今日できたこと」を1つだけメモする
ポイントは、「気分が良くなったら動く」ではなく、「動いた結果、少し気分が変わるかも?」くらいの軽さで試すことです。「やらなきゃ」ではなく、「ちょっと試してみようかな」と思えるラインにまでタスクを小さく分解してみてください。達成したあとは、「これくらいでいいのかな」ではなく、「ちゃんと一歩踏み出したな」と自分を認めることも忘れずに。
また、行動活性化では、「楽しいこと」「価値のあること」「やらなきゃいけないこと」をバランスよく組み合わせるのもポイントです。楽しいことだけでは現実的に難しいですし、義務だけだと心がすり減ってしまいます。あなたにとって大事にしたい価値観(例:家族との時間、健康、学び)とつながる行動を、少しずつ増やしていくイメージで考えてみてください。
行動活性化は、短期的な気分の改善だけでなく、「自分は何もできない」という自己イメージを少しずつ書き換えていく効果も期待できます。最初は、ほんの1分の行動でも十分です。その積み重ねが、長い目で見るとかなり大きな差につながっていくので、焦らずあなたのペースで続けてみてくださいね。
無料資料利用

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認知行動療法セルフカウンセリングのガイドを実践するとき、無料で利用できる資料やワークシートは心強い味方になります。特に、最初のうちは「本当にこの書き方で良いのかな?」「どんな順番で考えたらいいんだろう」と不安になりやすいので、信頼できるテンプレートがあると安心ですよね。
無料資料を活用するときのポイント
- 公的機関・医療機関・専門家が公開しているものを優先する
- 自分が書きやすいフォーマット(シンプルか、項目が多いか)を選ぶ
- 全部埋めることよりも、「1つでも書けたらOK」の気持ちで使う
- 印刷が難しい場合は、内容だけ真似してノートやアプリに書き写す
「認知行動療法 コラム表 PDF」「うつ病 認知行動療法 マニュアル」などで検索すると、厚生労働省などの公的機関が作成した資料が見つかります。例えば、うつ病の認知療法・認知行動療法に関するマニュアルでは、コラム法の書き方や気分のチェック方法が具体的に紹介されていて、セルフカウンセリングの参考にもなります(出典:厚生労働省「心の健康」認知行動療法マニュアル)。
一方で、ネット上の資料には、監修者や作成日がはっきり書かれていないものもあります。その場合は、あくまで「参考」として眺めるくらいにとどめておきましょう。無料だからこそ、「自分に合わない」「ちょっと違うかも」と感じたら、無理に使い続けないことも同じくらい大切です。
ネット上の資料は更新状況や監修者が分かりにくいこともあるため、あくまで一般的な目安として活用してください。正確な情報や最新の治療ガイドラインについては、必ず公式サイトや医療機関の情報をご確認ください。また、ご自身の症状や状況に合わせた判断が必要な場合は、独断で自己判断せず、専門家に相談することをおすすめします。
無料資料は、「ゼロから自分でフォームを作るのは大変…」というときの助けになりますが、あなたが感じていることをありのまま書けるかどうかのほうがずっと大事です。形式に自分を合わせるのではなく、「このシート、ここだけ使おうかな」「この項目は今の私にはいらないな」と、あなたのほうからシートをカスタマイズしていく感覚で付き合ってみてくださいね。
注意点の限界

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認知行動療法セルフカウンセリングのガイドはとても頼りになるツールですが、セルフケアには限界があることも、あらかじめ知っておいてほしいポイントです。ここでは、安心して使うために大事な注意点をまとめます。「セルフでなんとかしなきゃ」と頑張りすぎてしまう方ほど、このパートはぜひ目を通しておいてほしいところです。
セルフケアとしての限界
- 「死にたい」「消えたい」といった強い希死念慮がある
- 仕事や学業、家事がほとんど手につかない状態が続いている
- 食事・睡眠・身の回りのことがほとんどできない
- パニック発作や強いフラッシュバックが頻回に起きている
- 自傷行為や依存行動がやめられず、安全が心配な状態になっている
このような状況では、セルフカウンセリングのみで対処しようとせず、医療機関やカウンセリング機関に早めに相談することがとても重要です。認知行動療法は専門家との対話を通じて行うときにこそ力を発揮する面も大きく、セルフ版はあくまで補助的・予防的な位置づけと考えたほうが安全です。
この記事で紹介している内容は、一般的なセルフケアのヒントであり、診断や治療方針を決めるものではありません。体調やこころの状態について不安がある場合は、必ず専門家にご相談ください。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、最終的な判断は、あなた自身と、担当の医師・カウンセラーと一緒に行うことをおすすめします。
また、「専門機関に相談するほどではないのかも」と迷うパターンもありますよね。その場合は、「今の状態がこの先1か月続いたら、生活にどんな影響が出そうか」とイメージしてみてください。そこで「けっこう大変になりそうだな」と感じるなら、早めに相談しておくほうが安心です。相談したからといって、必ずしも大掛かりな治療になるわけではなく、「様子を見ながらセルフケアを続けていきましょう」というアドバイスで終わるケースもあります。
セルフカウンセリングは、「自分でできる範囲のケア」と「専門家に頼るべきライン」を見極めるための視点にもつながります。一人で抱え込まず、あなたの味方になってくれる人や機関を、少しずつ増やしていけるといいなと思います。
継続コツ

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認知行動療法セルフカウンセリングのガイドを活かすうえで、一番つまずきやすいのが「続けること」かもしれません。完璧主義な人ほど、「毎日きちんとワークしないと意味がない」「3日坊主になったら失敗だ」と自分を追い込んでしまいがちです。でも、セルフケアは「続けること」よりも、「続けられない日があっても戻ってこられること」のほうが大事だったりします。
続けるためのマイルールづくり
- 「毎日」ではなく「できる日のほうが多ければOK」と考える
- 1回のワーク時間を5分以内に制限してみる
- 書けたら小さくガッツポーズをするなど、自分をねぎらう
- しんどい日は「感情の名前を1つ書くだけ」でも良しとする
- 2〜3週間できなかったとしても、「今日からまた再開」でOKと決めておく
大切なのは、「続けられなかった日」にやさしくすることです。セルフカウンセリングそのものが、自分へのやさしさを育てるトレーニングなので、「できなかった私」を責めるのではなく、「それだけ疲れていたんだな」と受け止めてあげる姿勢が何よりの実践になりますよ。
また、メンタルが比較的安定しているときに、自分なりの「心の整え方」を整理しておくと、調子を崩したときにも思い出しやすくなります。例えば、「睡眠時間が◯時間を切ると不安が強くなる」「予定を詰め込みすぎるとイライラしやすい」など、自分の傾向を知っておくことは、セルフカウンセリングの土台になります。そうした意味で、メンタルが安定している人の特徴と考え方を知っておくことも、長期的なセルフケアのヒントになるかなと思います。
習慣化のコツとしては、セルフカウンセリングを「特別な時間」ではなく、日常のルーティンの中に紛れ込ませることです。例えば、歯みがきのあとに3行だけ日記を書く、寝る前に今日の気分を10段階でつけてみる、通勤電車の中で自動思考を1つだけ振り返る…など、小さな「ついで」に乗せてしまうイメージです。あなたの生活リズムに合う形を探してみてくださいね。
効果と恩恵

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最後に、認知行動療法セルフカウンセリングのガイドに取り組むことで期待できる効果や恩恵を整理しておきます。「こんな変化が起きたらいいな」とイメージしながら読んでみてください。ここで挙げる内容はあくまで一般的な目安ですが、方向性としての参考になるかなと思います。
- 自分の感情のパターンやトリガーが分かるようになる
- 認知の歪みに気づきやすくなり、自分責めが少しずつ減っていく
- 落ち込みや不安の波に飲み込まれにくくなる
- 行動活性化によって、「できたこと」が少しずつ増えていく
- 自分のことを、以前よりも現実的でやさしい目で見られるようになる
- ストレスがかかったときに、「対処の引き出し」が増えている感覚が持てる
もちろん、これは一般的な目安であって、効果の出方やスピードには個人差があります。数日で劇的に変わるというよりは、「気づいたら、前よりちょっとだけラクになっていた」という変化が積み重なっていくイメージに近いかもしれません。ときどき、過去のノートやワークシートを見返してみると、当時よりも視野が広がっていたり、自分への言葉がやわらかくなっていることに気づく方も多いです。
もし途中で「本当にこれで合っているのかな?」と不安になったら、セルフ本や認知行動療法アプリ、専門家とのカウンセリングなど、別の視点を取り入れてみるのもおすすめです。正確な情報や治療に関する判断が必要な場合は、必ず公式な情報源や専門家の意見を確認してくださいね。
セルフカウンセリングガイドはあくまであなたの味方であって、「こうしなければならない」と命令してくる存在ではありません。気軽に使えるパートナーとして付き合ってもらえたらうれしいです。
まとめ【認知行動療法セルフカウンセリングのガイド】
ここまで、認知行動療法セルフカウンセリングガイドの基本から、気分記録表やワークシート、自動思考の見直し、行動活性化、無料資料やアプリの活用、そして注意点や続けるコツまで、一気にお話ししてきました。情報量が多かったと思うので、「全部やらなきゃ」と思わなくて大丈夫です。気になったところ、今のあなたにしっくりきたところから、少しずつ試してみてください。
改めてまとめると、認知行動療法セルフカウンセリングガイドは、「自分のこころの動きを知り、やさしく整えていくための道具箱」のような存在です。認知の歪みや自動思考に気づき、少しずつ現実的で自分を守れる考え方にシフトしていくことで、うつや不安、ストレスとの付き合い方が変わっていきます。
ただし、セルフカウンセリングには限界もあるので、「一人で抱え込みすぎない」ことが何より大切です。つらさが強いときや、日常生活に支障が出ていると感じるときは、遠慮なく専門家に相談してください。この記事はあくまで一般的なセルフケアの目安であり、正確な情報は公式サイトをご確認のうえ、最終的な判断は医師やカウンセラーなどの専門家と一緒に行うことをおすすめします。
あなたのペースで、一度に全部ではなく、「今日は気分を1回だけメモする」「気になった認知の歪みを1つだけチェックする」くらいの小さな一歩からで大丈夫です。認知行動療法セルフカウンセリングガイドが、あなたの心を少しでも軽くするためのパートナーになれたら、とてもうれしいです。
